本当にインプラントが必要?
「歯を残す」セカンドオピニオン。

— この記事の監修者
湯口 晃弘(ゆぐち あきひろ)/ 医療法人令徳会 理事長・ユアーズデンタルクリニック院長
日本歯周病学会認定医、EAO(European Association for Osseointegration)認定医、5-D Japan ペリオインプラントコース インストラクター。2026年5月、米国歯周病学会の公式誌 Clinical Advances in Periodontics に筆頭著者として症例報告を発表(DOI: 10.1002/cap.70076)。
プロフィール詳細を読む →本当に必要なインプラントは、迷わずお勧めします。一方、保存的治療で対応可能な歯を、安易にインプラントに置き換えるべきではないと考えています。判断基準を、論文と臨床の両側面から解説します。
なぜ「インプラントを勧められた」が増えているのか
インプラント治療は、20世紀後半に Per-Ingvar Brånemark らが「オッセオインテグレーション(骨と人工歯根の結合)」の概念を確立して以降、急速に普及してきました。現在では、歯を失った場合の標準的な選択肢の一つです。
しかし、その普及に伴い、「保存的治療で対応可能な歯」までもがインプラントへの置き換えとして提案されるケースも増えてきました。これは患者さんにとって、不要な侵襲と費用を意味します。
湯口は、5-D Japan ファウンダー船登彰芳先生のもとで5年間、「歯を残す」臨床哲学を学びました。「残せる歯は徹底的に残し、必要な時はインプラントを最善の形で提供する」──これが当院の基本姿勢です。
インプラントが「本当に必要」な3つのケース
誤解のないようにお伝えします。当院は「インプラント反対派」ではありません。湯口はEAO(European Association for Osseointegration、欧州オッセオインテグレーション学会)認定医として、インプラント治療を行っています。以下のケースでは、迷わずインプラントをお勧めします。
1. 歯根破折で歯の保存が物理的に不可能なケース
歯根が縦に割れている(垂直性歯根破折)場合、現代の歯科技術では予後の良い保存は困難です。感染源を残すよりも、抜歯してインプラントへ置き換えるのが合理的です。
2. 重度歯周病で骨吸収が著しいケース
歯周組織再生療法は強力な治療法ですが、適応には限界があります。残存骨が極端に少ない(5mm以下のレベル)、動揺が著しいなどのケースでは、再生療法で骨を取り戻せる範囲を超えていることが多いです。
3. 根尖病巣の再発を繰り返すケース
根管治療(神経の治療)と再根管治療を経ても、根尖部の感染が再発し続ける場合。歯根端切除術(外科的処置)でも対応困難なケースは、抜歯+インプラントが選択肢となります。
逆に「歯を残せる」可能性が高い3つのケース
一方で、以下のようなケースでは、安易にインプラントへ置き換える前に、保存的治療の可能性を検討すべきです。
1. 「歯周病が進んでいる」と言われたが、再生療法の検討がないケース
歯周ポケットが深い、レントゲンで骨が溶けている──このような診断があっても、3壁性骨欠損や狭く深い垂直性骨欠損は、エナメルマトリックスデリバティブ(Emdogain)や骨補填材を用いた歯周組織再生療法で骨が再生できる可能性があります。
湯口は『日本歯科評論』2021年8月号で「M-MIST法による歯周組織再生療法」を執筆。低侵襲な再生療法の選択肢があるか、再評価する価値があります。
2. 「歯ぐきが下がっている」を理由にしたインプラント提案
歯ぐきの後退(歯肉退縮)は、それ自体ではインプラントの理由になりません。根面被覆術により下がった歯ぐきを戻せるケースは多くあります。歯ぐきが下がってきました。元に戻せますか? で詳しく解説しています。
3. 「神経の治療が難しいから抜歯」のケース
根管治療は、根管治療を専門とする歯科医師による精密な処置(マイクロスコープ・ラバーダム使用など)であれば、保存可能なケースが大きく広がります。「治療が難しいから抜歯」と言われた歯も、歯内療法を専門とする歯科医師のセカンドオピニオンで保存可能になる場合があります。
セカンドオピニオン、承っています
札幌・大通駅直結のユアーズデンタルクリニックで、湯口院長のセカンドオピニオン外来を受け付けています。現在の治療計画とCT・レントゲンをお持ちください。
相談するセカンドオピニオンで確認する3つのポイント
他院のインプラント提案にセカンドオピニオンを求める際、以下の3点を確認してください。
1. 「歯の保存的治療」の選択肢が検討されたか
歯周組織再生療法、根管治療、歯周外科、矯正による歯の移動など、抜歯前に「残す」ための治療を検討した形跡があるか。CT画像と治療計画書から判断できます。
2. インプラントの「埋入位置と本数」が適切か
インプラントは「埋めれば良い」のではなく、骨の質・量・周囲組織との調和を考慮した正確な位置決めが、長期予後を左右します。必要以上の本数を埋めようとしていないか、確認してください。
3. メインテナンス計画が示されているか
インプラントは天然歯と異なり、適切なメインテナンスを怠ると「インプラント周囲炎」という独自の炎症で失う可能性があります。治療提案に5年・10年単位のメインテナンス計画が含まれているか、確認してください。
札幌・大通でのセカンドオピニオンについて
ユアーズデンタルクリニック(札幌市中央区・大通駅直結)では、湯口院長によるセカンドオピニオン外来を承っています。
湯口がセカンドオピニオンで強みを発揮できる理由
- 歯周外科・歯周組織再生の専門:保存的治療の選択肢を多角的に検討できる
- EAO認定医:インプラントが本当に必要な場合の判断と治療実績
- 5-D Japan ペリオインプラントコース インストラクター:歯周治療とインプラントの両方を扱う統合的視点
- 世界的歯周外科医 Otto Zuhr との国際共著論文:最新のエビデンスに基づく判断
- 日本臨床歯周病学会 第41回年次大会 最優秀賞:前歯部単独歯インプラント治療の症例で受賞
セカンドオピニオン外来でご用意いただきたいもの
- 現在の歯科医院での治療計画書(あれば)
- CT画像・レントゲン画像(データまたはコピー)
- 現在服用中のお薬の情報
- これまでの治療歴・既往歴
セカンドオピニオンの結果、現在の歯科医院での治療が最善と判断される場合もあります。当院で治療を継続することを前提とした診断ではありません。患者さんの最善の判断材料となることが、セカンドオピニオンの目的です。
よくあるご質問
歯を残すために、
まずは話してみませんか。
札幌・大通駅直結のユアーズデンタルクリニックで、湯口院長によるご相談を承っています。現在のお口の状態、これまでの治療歴、これからの不安、何でもお聞かせください。
