骨が少なくても
インプラントできる?
GBR(骨造成)の解説。

— この記事の監修者
湯口 晃弘(ゆぐち あきひろ)/ 医療法人令徳会 理事長・ユアーズデンタルクリニック院長
日本歯周病学会認定医、EAO(European Association for Osseointegration)認定医、5-D Japan ペリオインプラントコース インストラクター。2026年5月、米国歯周病学会の公式誌 Clinical Advances in Periodontics に筆頭著者として症例報告を発表(DOI: 10.1002/cap.70076)。
プロフィール詳細を読む →結論:骨が少なくても、骨を増やす治療(GBR)でインプラントが可能になるケースは多くあります。本記事では、GBRが何なのか、どんな時に必要か、どんな流れで進むのかを、知識ゼロの方にもわかるように解説します。
なぜインプラントに「骨」が必要なのか
インプラントは、人工の歯根(チタン製のネジのような形のもの)を顎の骨に埋め込み、その上に人工の歯(クラウン)を取り付ける治療法です。
つまり、インプラントが長期的に安定して機能するためには、「人工歯根を埋めるだけの十分な骨の量と質」が必要です。これが足りない場合、インプラント治療が成立しません。
骨が少なくなる主な3つの原因
1. 抜歯後の骨吸収
歯を抜くと、その歯を支えていた骨は徐々に痩せていきます。これは生理的な反応で、抜歯後1年で骨の厚みが約25%、3年で約40%吸収すると報告されています。長期間入れ歯やブリッジで対応してきた方は、骨が大きく減っているケースが多いです。
2. 歯周病による骨吸収
歯周病は、歯を支える骨が溶けていく病気です。抜歯前に既に大きく骨が溶けている場合、抜歯後の骨はさらに少なくなります。
3. 解剖学的な制限
特に上顎の奥歯では、上に「上顎洞」(じょうがくどう・鼻の脇にある空洞)が広がっているため、骨の厚みが元々薄いことがあります。下顎の奥歯では「下歯槽神経」(かしそうしんけい)という太い神経が走っており、これを傷つけない高さの骨が必要です。
GBRとは — 骨を増やす治療
骨が少ない部位に対して、骨を再生させて増やす治療法を GBR(ジー・ビー・アール)と呼びます。正式名称は「Guided Bone Regeneration」、日本語では「骨誘導再生法」または「骨造成術」です。
GBRの基本原理
GBRでは、以下の2つの材料を組み合わせて使います。
- 骨補填材(こつほてんざい)── 骨が再生する時の「足場」になる人工骨。患者さん自身の骨(自家骨)、人工合成材料、または安全性が確立された牛由来の骨材を使います。
- 遮断膜(メンブレン)── 骨を増やしたい部位を覆う、薄いシートのような膜。歯肉の細胞が骨の再生する空間に入り込むのを防ぎ、ゆっくりと時間をかけて再生する骨の細胞のための「専用空間」を作ります。
骨補填材の中で、患者さんご自身の骨が時間をかけて再生し、最終的にインプラントを支えるしっかりした骨になります。
GBRの種類 — どこの骨をどう増やすか
1. 水平的骨造成(すいへいてき こつぞうせい)
骨の「幅」を増やすGBRです。歯を支えるためには、ある程度の幅の骨が必要。幅が足りない場合に行います。比較的予後の安定した、よく行われる術式です。
2. 垂直的骨造成(すいちょくてき こつぞうせい)
骨の「高さ」を増やすGBRです。長期間歯がなかった部位や、歯周病で大きく骨が減った部位で必要になります。技術的には水平的骨造成より難易度が高く、専門的な訓練を受けた歯科医師が行います。
3. サイナスリフト(上顎洞挙上術)
上顎の奥歯で、上の「上顎洞」という空洞が広がっていて骨が薄い場合、上顎洞の底(粘膜)を持ち上げて、その下の空間に骨補填材を入れる手術です。「ソケットリフト」(少量挙上)と「ラテラルアプローチ」(大量挙上)の2方式があります。
4. ソケットプリザベーション
抜歯と同時に行うGBRで、抜歯した穴に骨補填材を入れて、将来の骨吸収を予防する方法。「将来インプラントを希望するかも」という方の抜歯時には、ぜひご検討いただきたい処置です。
治療の流れ・期間・通院回数
GBRには、大きく2つの進め方があります。症例の骨の量と質に応じて選択します。
パターンA:同時GBR — インプラントと同じ手術で骨も増やす
骨が「ほぼ足りるけど、少し足りない」場合に選択します。インプラント埋入と同じ日にGBRも行うため、治療期間が短く、患者さんの負担が少ない方法です。
- CT撮影・治療計画策定
- インプラント埋入 + GBR(同日・約1〜2時間)
- 治癒期間 約3〜6ヶ月
- 人工歯(クラウン)の装着
パターンB:ステージドアプローチ — 骨造成を先に、インプラントを後で
骨が「大きく足りない」場合に選択します。先にGBRで骨を増やし、骨が安定してからインプラントを埋入します。確実な骨量を確保できる、安全性の高い方法です。
- CT撮影・治療計画策定
- GBR手術(約1〜2時間)
- 骨造成の治癒期間 約4〜6ヶ月
- インプラント埋入手術
- 治癒期間 約3〜6ヶ月
- 人工歯(クラウン)の装着
合計の治療期間は、パターンAで約6〜9ヶ月、パターンBで約10〜14ヶ月が目安となります。
札幌でGBRを受けるなら
GBRは、適応の正確な診断と、術式の選択、長期予後を見越した治療計画が必要な、専門性の高い治療です。術者の技量と経験が、結果に大きく影響します。
湯口は、以下の3つのエビデンスを持ってGBRを提供しています。
- EAO認定医(European Association for Osseointegration、欧州オッセオインテグレーション学会/2024年10月取得・症例審査と英語口頭試問通過)
- 5-D Japan ファウンダー船登彰芳氏のもとで5年間研鑽 — インプラント治療技術を継承
- 2025年11月、第2回 YOUNG Dental Innovators’ Meeting(パシフィコ横浜)にて「美しい前歯部インプラント治療を目指して 〜抜歯即時埋入からGBRまで〜」を講演
札幌・大通駅直結のユアーズデンタルクリニックで、CT検査と精密診断のもと、GBRの適応と治療計画をご提案します。
よくあるご質問
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札幌・大通駅直結のユアーズデンタルクリニックで、湯口院長によるご相談を承っています。現在のお口の状態、これまでの治療歴、これからの不安、何でもお聞かせください。
