ガミースマイルの治療|歯ぐきの見た目を変える歯周形成外科
— Gummy Smile / 審美・歯周

笑うと歯ぐきが目立つ。
治せるの?

— Published 2026.07.17 / Updated 2026.08.17
湯口晃弘

— この記事の監修者

湯口 晃弘(ゆぐち あきひろ)/ 医療法人令徳会 理事長・ユアーズデンタルクリニック院長

日本歯周病学会認定医、EAO(European Association for Osseointegration)認定医、5-D Japan ペリオインプラントコース インストラクター。2026年5月、米国歯周病学会の公式誌 Clinical Advances in Periodontics に筆頭著者として症例報告を発表(DOI: 10.1002/cap.70076)。

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「笑うと歯ぐきが目立って、思いきり笑えない」。歯ぐきが過剰に見える状態を、専門的にはガミースマイルと呼びます。結論から言うと、ガミースマイルは原因によって適した治療がまったく異なり、歯ぐきや歯の長さが原因のタイプは、歯周形成外科という手術で改善できることがあります。この記事では、4つの原因タイプと治療の対応関係、歯周形成外科でできること、そして手術が向かないケースまでを、歯科医師 湯口晃弘が解説します。

ガミースマイルとは。「病気」ではなく「悩み」から始まる治療

ガミースマイルは、笑ったときに上の歯ぐきが広く見える状態を指す言葉です。「ここからがガミースマイル」という厳密な線引きがあるわけではなく、歯ぐきの見え方には個性があります。それ自体は病気ではありません。治療を考える出発点は、「ご本人がどれだけ気にしているか」です。歯ぐきの見え方が気になって思いきり笑えない、人前で話すときに口元を隠してしまう。そんな状態が続いているなら、治療を検討する意味があります。

一方で、ガミースマイルの背景に、歯が本来の位置まで生えきっていない状態や、歯の強いすり減りが隠れている場合もあります。見た目だけの問題と思っていたら機能面の課題が見つかることもあるため、まず原因の診断から始めることが大切です。

目次

原因は1つではない。4つのタイプで治療が変わる

ガミースマイルの治療で最も大切なのは、「なぜ歯ぐきが目立つのか」の見極めです。原因は大きく4つに分けられ、どれに当てはまるかで選ぶべき治療がまったく違います。複数の原因が重なっているケースもあります。

① 歯ぐきタイプ:歯ぐきが歯に被さっている

歯は十分な長さがあるのに、歯ぐきが下がりきらず歯の頭に被さったままになっているタイプです。歯が短く見え、そのぶん歯ぐきの面積が大きく見えます。歯が生えてくる過程で歯ぐきの位置が下がりきらなかったことなどが背景にあり、ご本人は「歯が小さい」と感じていることも多いのですが、実際には歯ぐきの下に本来の歯が隠れています。このタイプは、歯ぐきの位置を整える歯周形成外科が最も力を発揮します

② 骨タイプ:上あごの骨格によるもの

上あごの骨が縦方向に発達している場合、笑ったときに歯ぐきごと前方に押し出されるように見えます。骨格が主な原因の場合、歯ぐきの手術だけでは改善に限界があり、歯列矯正や外科矯正(あごの骨の手術)の領域になります。

③ 唇タイプ:上唇が大きく上がる

笑ったときに上唇を持ち上げる筋肉の働きが強い、または上唇が比較的短いために、歯ぐきの露出が増えるタイプです。歯や歯ぐき自体は標準的でも歯ぐきが目立って見えます。このタイプも、歯ぐきの手術単独では改善しにくい型です。

④ 歯の長さタイプ:歯が短い・すり減っている

長年の歯ぎしりや噛みしめで歯がすり減って短くなったり、歯ぐきに埋もれて歯が短く見えたりすると、相対的に歯ぐきが目立ちます。歯ぐきの位置を整えたうえで、セラミックなどで歯の形と長さを回復する治療を組み合わせる場合があります。

歯周形成外科でできること

歯周形成外科は、歯ぐきの見た目を整える手術です。美容医療でいう形成外科に近い分野で、行っている一般歯科医院は多くありません。大きく2種類に分かれます。

① 歯ぐきを増やす
下がった歯ぐきに移植する「根面被覆」など
② 歯ぐきを減らす
歯を長く見せる「クラウンレングスニング」
目的は2つ
被せ物の前処置(機能)と、見た目の改善(審美)

ガミースマイルに主に用いるのは「減らす」方向のクラウンレングスニング(歯冠長延長術)です。歯に被さった歯ぐきを整え、必要に応じて歯ぐきの下の骨の形も整えることで、歯の見える長さを本来の姿に近づけます。歯ぐきのラインを左右対称に整えるだけでも、口元の印象は大きく変わります。

歯周外科治療の様子
歯周外科治療の様子(ユアーズデンタルクリニック・出典

逆に、歯ぐきが下がって歯が長く見える悩みには、「増やす」方向の歯ぐきの移植手術を行います。増やす・減らすの両方向を扱えることが、歯周形成外科を専門的に行う医院の強みです。また、歯と歯の間の黒い隙間(ブラックトライアングル)など、歯ぐきまわりの他の悩みと合わせて計画できるのも利点です。見た目をさらに整えるため、歯周形成外科のあとにセラミック治療を行うこともあります。ご希望のゴールに合わせて、最適な方法を一緒に設計します。担当する湯口の経歴は院長プロフィールをご覧ください。

手術が向かないケースも、正直にお伝えします

誠実にお伝えしたいのは、すべてのガミースマイルが歯周形成外科で改善できるわけではないということです。

  • 骨格が主な原因のタイプ:歯ぐきの手術だけでは変化に限界があります。矯正や外科矯正の適応と診断した場合は、その旨をお伝えし、必要に応じて専門機関への相談をご案内します。
  • 唇の動きが主な原因のタイプ:歯周形成外科の得意分野ではありません。原因診断の結果、歯科以外の選択肢が適している場合もあります。
  • 歯周病が進行している場合:炎症のある歯ぐきに審美目的の手術はできません。まず歯周病の治療を優先します。
  • 悩みがごく軽い場合:手術には腫れや痛みなどの負担が伴います。悩みの深さと治療の負担が釣り合うかを、一緒に考えることも大切です。

「手術ありき」ではなく、診断の結果によっては手術をおすすめしないこともあります。それも含めて診断です。他院で治療を提案されて迷っている方は、セカンドオピニオンのご相談も可能です。

歯周形成外科を行う医院は多くない。医院選びの視点

ガミースマイルの相談先として、矯正歯科・美容医療・一般歯科など複数の選択肢があり、どこに行くかで提案される治療が変わりやすいのが実情です。それぞれの分野は自分の得意な方法を軸に考えるため、「原因の診断」と「治療の提案」が最初からセットになってしまいがちだからです。

だからこそ、医院選びでは次の点を確認してみてください。

  • 治療法を決める前に、歯・歯ぐき・骨・唇のどこに原因があるかを説明してくれるか
  • 歯ぐきを「増やす」「減らす」両方向の術式に対応しているか
  • 自院で対応できない原因タイプのとき、他の分野の選択肢を正直に示してくれるか
  • 手術後の仕上げ(セラミック等)まで一貫した設計ができるか

治療の流れと費用の考え方

  1. カウンセリング:どんなときに歯ぐきが気になるか、どんな口元になりたいかを伺います。
  2. 検査・原因診断:歯・歯ぐき・骨・唇のどこに原因があるか、笑ったときの露出量や歯の長さを確認します。
  3. 治療計画の提示:歯周形成外科で対応できる範囲と限界、他の選択肢を含めてご説明します。
  4. 手術:多くは局所麻酔で行う日帰りの処置です。
  5. 治癒期間:歯ぐきが落ち着くまで経過を確認します。
  6. 仕上げ・メンテナンス:必要に応じてセラミックなどで歯の形を整え、定期的に状態を確認します。

費用は治療内容により異なります。歯周形成外科は審美的な改善が主目的のため自由診療となります。自由診療の考え方も合わせてご覧ください。手術と聞くと身構えてしまう方も多いのですが、まずは「なぜ目立つのか」を知るだけでも大きな一歩です。歯科が苦手な方も、相談から始めていただけます。

— CONSULTATION

その歯ぐき、なぜ目立つのか。原因診断から始めませんか

手術を決める前に、まず原因を知ることが第一歩です。治療をするかどうかは、診断結果を聞いてから決めていただいて構いません。

ユアーズデンタルクリニックへ

よくあるご質問

ガミースマイルは手術でしか治せませんか?
原因によります。歯ぐきの切除で整う場合もあれば、矯正が必要な場合もあります。唇の動きが主な原因のタイプでは、歯ぐきの手術以外の方法が検討されることもあります。まず原因を見極めることが第一歩です。
保険はききますか?
歯周形成外科は審美的な改善が主目的のため、自由診療となります。費用は治療内容により異なるため、診断後に総額の目安をご説明します。
費用や期間は?
治療内容により異なります。手術のあとは歯ぐきが落ち着くまでの治癒期間を挟み、必要に応じてセラミックなどの仕上げを行います。カウンセリングでご説明します。
手術は痛いですか?腫れますか?
手術は局所麻酔をして行うため、術中の強い痛みは抑えられます。術後は腫れや違和感が出る場合がありますが、程度には個人差があります。切開の範囲を抑えた低侵襲の術式を選ぶことで、体への負担を小さくすることを大切にしています。
切った歯ぐきが元に戻る(後戻りする)ことはありませんか?
原因に合わない術式を選ぶと、歯ぐきが再び歯に被さってくる場合があります。歯ぐきの位置だけでなく、必要に応じてその下の骨の形まで整えることで後戻りを抑えるのが一般的な考え方です。だからこそ、術前の原因診断と術式の選択が重要になります。
矯正歯科では矯正をすすめられました。どちらが正しいのでしょうか?
どちらが正しいというより、原因が違えば適する治療も違います。骨格や歯並びが主な原因であれば矯正や外科矯正、歯ぐきの被さりが主な原因であれば歯周形成外科が向きます。両方の視点からの診断や、セカンドオピニオンの活用をおすすめします。
— Consultation

まずは、お話をお聞かせください。

あなたの歯やお口のお悩みを、湯口院長と一緒に考えましょう。

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