歯周病の保険請求件数は虫歯より約8,400万件多い|NDBオープンデータ10年分の分析

— この記事の監修者
湯口 晃弘(ゆぐち あきひろ)/ 医療法人令徳会 理事長・ユアーズデンタルクリニック院長
日本歯周病学会認定医、EAO(European Association for Osseointegration)認定医、5-D Japan ペリオインプラントコース インストラクター。2026年5月、米国歯周病学会の公式誌 Clinical Advances in Periodontics に筆頭著者として症例報告を発表(DOI: 10.1002/cap.70076)。
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NDB(レセプト情報・特定健診等情報データベース)は、日本の保険診療で医療機関が行った請求の情報を集めたデータベースです。厚生労働省はその集計結果をオープンデータとして公表しています。
アンケートによる推計ではなく、実際に行われた保険請求の情報を集計した数字であることが特徴です。ただし公表値は、集計単位が10未満の場合は非表示とする取り扱いになっています。また、自由診療は含まれません。
10年分を並べると、歯周病だけが伸び続けている

- 2023年度:歯周病 2億2,299万9,709件/虫歯 1億3,903万7,037件/喪失歯 1,794万5,457件
- 2015年度:歯周病 1億7,466万1,048件/虫歯 1億2,929万6,100件/喪失歯 1,933万278件
- 2015年度から2023年度の変化:歯周病 1.28倍/虫歯 1.08倍/喪失歯 0.93倍
- 歯周病と虫歯の差:2015年度 約4,536万件 → 2023年度 約8,396万件
2020年度は3つの傷病すべてで件数が減りました。翌年度以降に増え続けているのは、歯周病です。
件数を見るうえでの注意点
虫歯は、治療をすればその歯の治療はいったん終わります。歯周病は、歯を支える組織の状態を続けて確認し、管理していく病気です。この診療上の違いは、同じ人が繰り返し診療を受けるかどうかに関わるため、件数に影響する可能性があります。ただし、今回の分析から件数の差の原因を特定することはできません。
歯が残る人が増えていることも、関係している可能性があります。厚生労働省の令和6年歯科疾患実態調査では、80歳で20本以上の歯を持つ人の割合は約61.5%と推計されています(75歳以上85歳未満で20本以上の歯を有する者の割合からの推計値)。この点は8020運動の達成率と歯周病の分析で詳しく扱っています。
件数が示していること、示していないこと
NDBの件数は、保険請求に記載された傷病の件数であり、患者の人数ではありません。同じ人が複数回数えられる場合があります。
また、件数が増えたことは、歯周病が悪化したことだけを意味するわけではありません。歯周病として診断され、管理を受ける人が増えたことも含まれています。

自分の歯ぐきの状態を確かめるには
歯周病は、初期にはほとんど痛みが出ません。歯周組織検査で歯周ポケットの深さを1本ずつ測り、レントゲンで歯を支える骨がどの程度残っているかを確認することで、現在の状態が分かります。
進行段階ごとにできることは歯周病で歯が抜けそう。諦めずにできること、骨が失われた場合の選択肢は歯周病で溶けた骨は増やせるで解説しています。
出典
- 厚生労働省「NDBオープンデータ」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000177182.html - 国立保健医療科学院「NDBオープンデータ(歯科)の見える化」
https://www.niph.go.jp/soshiki/koku/oralhealth/data8.html - 厚生労働省「令和6年歯科疾患実態調査の結果について」(令和7年6月26日公表)
※2014年度(第1回)と2015年度(第2回)以降は集計の対象が異なるため、比較の起点を2015年度としています。2014年度を起点とすると歯周病は1.59倍になります。分析日:2026年9月15日。本ページの数値と図は、厚生労働省「NDBオープンデータ」を医療法人令徳会 ユアーズデンタルクリニックが加工して作成したものです。
よくあるご質問
まずは、お話をお聞かせください。
歯周病は、初期には痛みがほとんど出ません。歯周組織検査とレントゲンで、今の歯ぐきと骨の状態を確認できます。札幌・大通駅直結のユアーズデンタルクリニックでご相談を承っています。
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