歯周病の保険請求は2020年度に減り、翌年度には前の水準を超えた|10年分の推移

— この記事の監修者
湯口 晃弘(ゆぐち あきひろ)/ 医療法人令徳会 理事長・ユアーズデンタルクリニック院長
日本歯周病学会認定医、EAO(European Association for Osseointegration)認定医、5-D Japan ペリオインプラントコース インストラクター。2026年5月、米国歯周病学会の公式誌 Clinical Advances in Periodontics に筆頭著者として症例報告を発表(DOI: 10.1002/cap.70076)。
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レセプトは、保険診療の請求ごとに傷病名が記録されます。NDBオープンデータでは、この記録が年度ごとに集計されて公表されています。推計ではないため、請求の総量がそのまま数字として出てきます。
2020年度は、多くの診療科で受診の件数が減った年度として知られています。歯科について、傷病ごとにどう動き、その後どう戻ったのかを10年分の推移で確認しました。
戻り方が傷病によって違う

- 歯周病:2014年度 1億4,015万件/2019年度 2億117万件/2020年度 1億9,009万件/2021年度 2億563万件/2023年度 2億2,300万件
- 虫歯(う蝕):2014年度 1億756万件/2019年度 1億3,550万件/2020年度 1億2,724万件/2021年度 1億3,028万件/2023年度 1億3,904万件
- 喪失歯:2014年度 1,639万件/2019年度 1,877万件/2020年度 1,698万件/2021年度 1,719万件/2023年度 1,795万件
- 2019年度から2020年度の増減:歯周病 マイナス1,108万件/う蝕 マイナス826万件/喪失歯 マイナス179万件
- 2019年度と2023年度の比較:歯周病 1.11倍/う蝕 1.03倍/喪失歯 0.96倍
2020年度は3つの傷病がいずれも前年度より減っています。減少幅が最も大きいのは歯周病の1,108万件でした。その後、歯周病は翌2021年度に2019年度の水準を超えました。虫歯(う蝕)が超えたのは2023年度で、喪失歯は2023年度も下回っています。
この数字が示していること、示していないこと

件数は、レセプトに記録された傷病の件数です。患者の人数ではありません。同じ人が複数の月に受診すれば、その分だけ件数は増えます。
2020年度に件数が減った理由について、このデータは何も記録していません。受診の控えという説明がよく用いられますが、本分析はその理由を確かめたものではありません。
2014年度(第1回)と2015年度(第2回)では集計の対象が異なるとファイルに注記があります。そのため2015年度を起点とした倍率も併記しています。歯周病と虫歯の件数の差は歯周病の保険請求件数は虫歯より約8,400万件多いで扱っています。
出典
- 厚生労働省「NDBオープンデータ」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000177182.html - 国立保健医療科学院「歯っとサイト」NDBオープンデータ
https://www.niph.go.jp/soshiki/koku/oralhealth/data8.html
※2014年度と2015年度では集計対象が異なるとNDBオープンデータのファイルに注記があります。年度間の倍率は2015年度起点の値も併記しています。件数は患者の人数ではありません。分析日:2026年9月29日。本ページの数値と図は、厚生労働省「NDBオープンデータ」を医療法人令徳会 ユアーズデンタルクリニックが加工して作成したものです。
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